会社から葬儀に供花を贈る際、実務担当者が最も気を使うべき点の一つが、花に添えられる「名札(芳名名札)」の書き方です。この小さな札は、誰からの弔意であるかを示す、非常に重要な役割を担っています。もし、ここに記載する会社名や役職、氏名に誤りがあれば、故人やご遺族に対して大変な失礼にあたり、会社の信用問題にも関わりかねません。ここでは、供花の名札で失敗しないための、具体的な注意点を解説します。まず、基本となるのが「会社名の正式名称」の確認です。株式会社を(株)と略したり、会社名を間違えたりするのは、最も避けたいミスです。必ず、登記されている正式な会社名を、一字一句間違えることなく記載します。特に、長い会社名の場合は、レイアウトが崩れないよう、葬儀社や生花店とよく相談しましょう。次に、役職と氏名を記載する場合です。こちらも、正確な役職名と、氏名の漢字に間違いがないかを、細心の注意を払って確認します。特に、旧字体の漢字などが使われている場合は、間違いが起こりやすいポイントです。代表取締役の氏名を併記する場合が最も一般的ですが、故人が特定の部署と深い関係にあった場合などは、会社名と、その部署名および部署長の名前を記すこともあります。誰の名義で出すべきかは、社内の慶弔規定や、上司と相談して決定します。複数の部署や、社員有志一同といった連名で贈る場合にも、ルールがあります。連名の場合は、序列の高い役職の方を一番右に書き、そこから左へと順に記していくのが基本です。序列がない社員有志などの場合は、五十音順で記載します。人数が多くなり、全員の名前を書ききれない場合は、「〇〇部一同」や「〇〇会有志」といった形でまとめます。そして、これらの情報を葬儀社や生花店に伝える際には、電話での口頭注文は避けるのが賢明です。聞き間違いや思い込みによるミスが発生しやすいため、必ずFAXやメールといった、文字として記録が残る形で注文し、名札の記載内容を明確に指示しましょう。注文後には、サンプル画像を送ってもらうなどして、最終的な確認を行うと、より万全です-。たかが名札、されど名札。その一枚に、会社の品格と、故人への敬意が表れることを、決して忘れてはなりません。
供花の名札で失敗しないための注意点