ペット同伴葬儀が増える一方で、現場では予期せぬトラブルが発生することもあり、それらの事例を知っておくことはリスク回避のために非常に役立ちます。最も多いトラブルは「吠え」に関するものです。普段はおとなしい犬でも、大勢の人が集まる異様な雰囲気や、お経の独特なリズム、線香の匂いなどに刺激され、興奮して吠え続けてしまうケースがあります。僧侶の読経がかき消されてしまったり、厳粛な空気が台無しになったりして、親族からクレームが出ることも少なくありません。これを回避するためには、事前に斎場の雰囲気に慣れさせておくか、いつでも退室できる出入り口付近の席を確保し、少しでも様子がおかしくなったらすぐに外へ出る態勢を整えておくことが重要です。次に多いのが「排泄」のトラブルです。緊張から会場内で粗相をしてしまい、カーペットを汚してクリーニング代を請求されたり、臭いが残ってしまったりする事例です。これにはマナーウェア(オムツ)の着用が最も有効な対策であり、見た目を気にするよりも安全策を取るべきです。また、「脱走」や「咬傷事故」のリスクも忘れてはなりません。人の出入りが多い葬儀会場ではドアが開けっ放しになる瞬間も多く、隙を見て外に飛び出してしまったり、驚いて参列者や僧侶に噛み付いてしまったりする可能性があります。リードは絶対に手から離さない、あるいは係留フックなどにつなぐ際は目を離さないことが鉄則です。さらに、参列者の中にはペットに対して「不謹慎だ」と感じる人がいることも事実であり、陰口を言われたり、冷ややかな視線を浴びたりする精神的なトラブルも考えられます。こうした摩擦を避けるためには、事前に親族間でしっかりと話し合い、全員の合意を得ておくこと、そして当日も周囲への配慮を欠かさない姿勢を見せることが、トラブルのない平穏な葬儀を実現するために不可欠です。